<前回のあらすじ>
レベルあげに飽き、クエストとミッションに行き詰まったうっちょんは、サポートジョブを取りにセルビナ・マウラへと旅立とうとしていた。
そのとき、戦士レベル7。あまりにも無謀な旅だという事に、本人はまるでわかっていなかった・・・。


 よし、地図も買ったことだし。シグネットをかけてもらって、いざ!冒険!!

全財産を使って、買える分だけ地図を買いまくったうっちょん。
その地図達が役に立つかはさておき、まずはセルビナへと旅立った。

現実時間 午前2時すぎ

人がまばらであった。

「リージョン情報」を見れば、目的地の大体の場所がわかるはずなのに、
1時間ほど闇雲にあさっての方向に歩きつづけ、場所が違うことに気づき
慌てて戻る。

 私のことは、おかまいなく〜。
 お願い、見なかったことにして・・・。
 ほっといてちょーだい・・・。

移動中、呪文のように心の声でモンスターに話し掛けながら、壁際をひたすら走っていた。

現実時間 午前3時すぎ

いくつかのHPを見つけ、ホッとしつつも先へと行くうっちょん。
まるで何かに取り付かれたかのように、次第に口が重くなった。
知らない土地、知らない敵、夜中なので人はいない。
死んだら終わり。
途中、砂煙が上がっている土地では視界が悪いため、
全神経をモニターに集中し、死の恐怖を肌で感じ、
既にゲームであることを忘れ、目的地へと向かった。

砂嵐の先は、砂丘であった。

 ここまで来れば、何とかなるだろう!
 いや、ここの敵はめちゃ強だから、油断は禁物だ!!

ゴブリンには特に気をつけて、常に敵との距離を置き、さらに前へと進むうっちょん。
そして、問題の洞窟へとひた走る。

 お、ゴブリンいないじゃん。楽勝かも!!
 がんがんいっちゃ・・・

 どかっ!!

 痛いな、なに!?

こうもりであった。

 やばい!3分の1減った!
 に、にげろぉーーー!!

 ばしっ!!!


 げ!後1撃で死ぬ!!
 いやぁぁぁぁ!!!

このときうっちょんには、かわいいこうもりさんが死神に見えた。
っていうか、姿を見ていたら即死なので、頭に描きつつ西へとひた走る。

途中、団体さんに会った。

 こうもり・・・は、

 大丈夫、振り切ったみたい。
 ふう。

 ここに来ている人たちのレベルって、いくつぐらいなんだろう?

興味本位で、周りの人たちを「調べる」。
調べられた人達、ごめんなさい。悪気はないんです。

 ・・・げ!??
 れ・・・レベル21!!??

そのパーティーはレベルが20前後の上級者達ばかり。
レベル7のうっちょん、なにやってるんだ!?ここで・・・??

 い・・・いや、とにかくセルビナへ行くんだ!!

この日は幸い、こうもり以外のモンスターに狙われず、
なんとかセルビナに到着した。

 いぇ〜い! セルビナ〜!!
 ・・・ん!? 船が出てる!
 えへ、このままマウラへ行っちゃおうっと。

ギリギリ残っていたお金で切符を買い、船に乗り込むうっちょん。
うっちょんのほかには、乗客が一人しかいなかった。

現実時間 午前4時ごろ

人が少ないのは、あたりまえである。

 どうも〜。
 こんばんは〜。
 私、船に乗るのって初めてなんですよ。
 あ、私もそうです。

どうやら二人とも初出航のようだ。

 しゅっぱーーつ!!

船の中を探検するうっちょんと、もう一人のかた。
上まで上がり、ひまなので釣りをはじめることにした。

 ふんふふん・・・。

鼻歌交じりに釣りをはじめた二人。
そのとき、うっちょんに何かが引っかかった。

 お!?いきなり!??なぁにかなぁ〜??

 ばしゃーーん!!!

 モンスター!??
 げ!

1撃で瀕死。
つかさず助けを求める。
うっちょんは逃げた。
同乗者さんは、レベル12だったので、なんとか倒すことが出来た。

 助かりました。死ぬかと思った。
 いいえ、私もやばいです。
 ふう・・・。

回復をしようとその場に座り込んだ二人。
・・・と、うっちょんの後ろでなにやら黒いものがちらちらと・・・。

 ・・・なんだ?

回復途中で見える位置に移動し、その黒い物体を確認した。

 ・・・たこ?
 でか!
 浮いてるし!!
 つうか、ガルカよりもでかぁーー!!!
 逃げた方が良さそう!!

魚で瀕死のうっちょん。そんな大きいモンスターとなんか、戦えるわけもなく
慌てて船内に逃げる。
同乗者のかたも、奴に気がつき慌てて中へ。

 しかし、狙われなくてよかったね〜。
 中に入っちゃえばこっちのものでしょ!!

安心をして、その場で回復を始めた二人。

 ぎぃ・・・、ばたん!!

 げ!??
 なんで!!???

わけもわからず、うっちょん船内で死亡。
なんとあの「たこ」が、扉を開けて中に入ってきた。

こうなったら逃げ場なんてありゃしません。
同乗者さんも、あっという間につかまって、一撃即死。

 さよ〜なら〜・・・。
 せっかくここまで来たのに・・・。








・・・うっちょん復活!

 あれ、ここは・・・?
 ・・・げ!?? バストゥークの中!??
 なんだよぉーーー!!今までがんばったのにぃ!

そうなんです、旅立ってからうっちょんは、一度もHP設定をしていませんでした。

 え〜〜〜ん!!え〜〜〜ん!!

悔しいので、大声で泣いてしまいました。

 セルビナまで行ったのにぃーー!!
 HP設定をしていなかったから、船の上で殺されてここに飛ばされたぁーーーー!!

大声で叫んでも、周りの人たちはわけがわかりません。
むやみに叫ぶのは、やめましょう。・・・おまえだよ、うっちょん。

泣きながらログアウト。

現実時間 午前4時30分すぎ

すべてが無駄と化して、その日の幕は閉じたのであった。


 ・・・くそう!!明日こそ行ってやる!!


懲りないうっちょんであった。

・・・次回につづく。